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「当直は労働時間」認定 奈良の産科医 大阪高裁 

投稿日時: 2010-11-17 19:57:14 (1686 ヒット)

 

 病院の当直勤務は割増賃金が支払われる「時間外労働」に当たる、として、県立奈良病院の産科医2人が県に対象額の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は16日、計約1500万円の支払いを命じた一審奈良地裁判決と同様に「当直は労働時間」と認定。双方の控訴を棄却した。

 判決理由で紙浦健二裁判長は「入院患者の正常分娩や手術を含む異常分娩への対処など、当直医に要請されるのは通常業務そのもので、労働基準法上の労働時間と言うべきだ。勤務時間全部について割増賃金を支払う義務がある」と指摘した。

 一方、応援要請に備えて自宅などで待機する「宅直勤務」については

「医師らの自主的な取り組みで業務命令に基づくものとは認められず、労働時間には当たらないと判断した。

 判決によると、奈良病院の産婦人科には医師5人がおり、夜間や休日の当直勤務は1人が担当。産科医2人は2004〜05年に各約210回、当直勤務に就いた。分娩に立ち会うことも多く、十分な睡眠時間が取りづらい勤務環境だったが、一回につき2万円の手当が支給されるだけで、時間外労働の割増賃金は支払われなかった。

(11月16日 共同通信)