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社員が自殺したのは、会社(マツダ)に過失有り 6千万円支払い命令

投稿日時: 2011-03-02 09:34:38 (2207 ヒット)

 自動車メーカー・マツダの男性社員(当時25)が自殺したのは、長時間労働が続いていた男性に対して会社側が適切にサポートしなかったのが原因だとして、両親が慰謝料など約1億1千万円の支払いを求めた訴訟の判決が28日、神戸地裁姫路支部であった。

 中村隆次裁判長はマツダ側の過失を認め、約6400万円の支払いを命じた。

 判決によると、

・ 男性は2004年4月にマツダに入社
・ 06年11月からエンジン用部品の輸入業務を担当
・ 07年3月にうつ病を発症
 08年4月に社宅で首つり自殺した。

広島中央労働基準監督署は09年1月、自殺と仕事の因果関係を認め、労災認定した。

 判決は、男性が輸入部品のトラブル処理をさばくために自宅に仕事を持ち帰った分も時間外労働にあたると認め、「仕事の影響で心身ともに健康を損なっていた」と判断。マツダ側は男性の負担を軽減させるため、上司にコミュニケーションをとらせるなどの適切な支援をする義務を怠ったと判断した。

 また、上司が男性の自殺について「この忙しいのに」などと発言したとし、遺族に対して二重に精神的苦痛を与えたと述べた。雇い主側が自殺後の対応をめぐって賠償責任を指摘されるのは異例。

 原告代理人の菊井豊弁護士は「請求額から労災給付金やマツダからの見舞金を差し引いたほぼ全額の支払いが認められた」としている。

 マツダ広報本部は「遺族に哀悼の意を表します。当社の主張が一部しか認められなかったのは残念。判決文を入手し次第、対応を検討します」などとする談話を出した。

(2月28日 ニュース)