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アスベスト、尼崎周辺住民の健康被害初認定 クボタに賠償命令 神戸地裁

投稿日時: 2012-08-17 16:05:01 (1424 ヒット)

以下、引用です。

 大手機械メーカー、クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民2人が中皮腫で死亡したのは、同工場から飛散したアスベスト(石綿)が原因として遺族がクボタと国を相手取り、計約7900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、神戸地裁であった。小西義博裁判長は1人については「飛散した石綿に曝露した」と認定し、クボタに約3195万円の賠償を命じた。国への請求は棄却した。

 工場労働者や運搬作業員以外に、周辺住民の石綿による健康被害に対し企業の責任を裁判所が認めたのは初めて。原告側は「クボタの責任が認められたことが大きな一歩。初めてアスベスト被害が公害として認定された」と評価した。

 原告は、旧神崎工場から約200メートル離れた別の工場に勤務していた山内孝次郎さん(平成8年死亡、当時(80))と、約1キロ離れた地区に住んでいた保井綾子さん(19年死亡、同(85))の遺族4人。クボタは被害発覚後、周辺住民らに最高4600万円の救済金を支払ってきたが遺族らは受け取らず「責任を認めて謝罪してほしい」として提訴していた。

 判決理由で、小西裁判長は運搬時の破れた麻袋からの漏出▽建物開放部からの飛散集塵(しゅうじん)機の性能の限界などから「工場敷地外への飛散を十分に防ぐことができていなかった」と認定。中皮腫を発症した周辺住民の居住地と神崎工場までの距離などを研究した学術論文に基づき、山内さんについては「発生源が旧神崎工場と推認させる」としてクボタの責任を認定した。保井さんについては、居住地が離れており「関連性があると断定できない」と判断した。

(8月7日 産経ニュース)