HOME  > 新着情報  > 労働法ニュース  > アスベスト外壁に法定基準の12倍 安全衛生法違反是正勧告 住金和歌山製鉄所
アーカイブ | RSS |

アスベスト外壁に法定基準の12倍 安全衛生法違反是正勧告 住金和歌山製鉄所

投稿日時: 2010-07-29 20:22:36 (1890 ヒット)

 住友金属工業和歌山製鉄所(和歌山市)でコークス炉の外壁に使われた断熱材用の粉末に、法定基準の12倍アスベスト(石綿)が含まれていたことが27日、同社への取材で分かった。中国から輸入され、石綿が含まれているとの認識はなく、周辺住民を含めた健康被害の可能性はないとして公表しなかったという。和歌山労働基準監督署は、アスベストを下請け業者に使わせたことが労働安全衛生法違反に当たるなどとして、同製鉄所など5社に是正勧告した。

 同製鉄所などによると、含有率は国の基準値(0.1%)を上回る1.2%。07〜08年に住友商事(東京都中央区)が計15トンを輸入し、09年4月に下請け業者29人が粘土状にして炉の外壁に塗った。しかし、ひび割れが激しく、今年3月末までに別の作業員17人がはがした。ともに作業時は防じんマスクを着けていたという。

 その後の成分検査で白石綿が含まれていることが判明。労基署は、作業空間を密閉しておらず、はがした断熱材の保管時の密閉も不十分だった点などについて是正を指導した。

(7月28日 毎日新聞)