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二審も労災否定 全日空機長死亡、豪雨時に運航、脳出血発症

投稿日時: 2010-06-25 18:30:24 (1935 ヒット)

 2000年の東海豪雨当日、名古屋発着4便のフライトをこなし、飛行中に脳出血を発症し死亡した全日空機長=当時(53)=の遺族が、労災と認めなかった大田労働基準監督署(東京)の処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は24日、請求を退けた一審判決を支持、遺族側の控訴を棄却した。

 原田敏章裁判長は死亡前6カ月の業務内容について「症状を著しく増悪させるほど過重とは認められない」と判断。遺族側の「悪天候の名古屋周辺の操縦で緊張を強いられた」との訴えにも「当時の気象状況は運航条件を満たし、操縦に困難を感じるほどではなかった」と退けた。

 判決によると、機長は2000年9月11日、仙台―名古屋―青森―名古屋―佐賀と4便に乗務。最後の佐賀空港着陸直前に意識を失い、8日後に亡くなった。佐賀空港には副操縦士の操縦で無事着陸した。東海地方では12日にかけての集中豪雨で10人の死者が出た。

 機長の遺族の労災申請に、労基署は02年、業務との因果関係を認めず、不支給処分とした。

(6月24日 共同通信)