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日産 事務系派遣を廃止 直接雇用の「契約」にでも2年11ヶ月契約

投稿日時: 2010-08-19 08:30:49 (2390 ヒット)

 日産自動車(本社・横浜市)が10月から、事務系派遣社員を段階的に直接雇用の契約社員に切り替えることが分かった。東京労働局から労働者派遣法に基づく是正指導を受け、方針転換を迫られたとみられる。130万人にも及ぶ事務系派遣。各地で問題が相次ぎ、秋の臨時国会では派遣法改正案の審議も控える。業界大手の動きは他社にも影響を与えそうだ。

 同社広報部などによると、現在日産で勤務している事務系派遣社員は700〜800人。今後は派遣社員の受け入れを中止。
 契約期間は半年で、更新最長は判例上、雇い止めがしづらくなる3年を超えない2年11カ月の契約で採用する方針だ。既に募集を始めている。

 同社は2000年代半ばから派遣社員を増員。08年秋のリーマン・ショックで製造・事務合わせて数千人規模の派遣社員を解雇し、社会問題になった。昨年5月には、派遣期間の制限のない専門業務と偽って派遣社員を受け入れ仕事をさせていたとして、東京労働局から是正指導を受けた。関係者によると、是正指導後、社内では派遣社員への対応が厳しくなっているという。

 今回の決定について同社広報部は「法を守っているつもりでも、実際には問題のあるケースもあり、グレーゾーンの解釈が難しい。直接雇用のほうが会社にとっても従業員にとっても良いと判断した」などと説明する。

 一方で、日産は現在働いている派遣社員の処遇を明らかにしておらず、「新たな派遣切りや雇い止めにつながるのでは」との不安の声も広がっている。

 労働問題に詳しい棗(なつめ)一郎弁護士は「企業はこれまで、責任も義務も伴わない派遣労働者を使ってやりたい放題やってきたが、規制強化の流れの中で、メリットが薄れたのだろう。派遣法改正を機に、同様の動きは増えるだろう」と話している。

(8月18日 毎日新聞)